ベスト・クロージング!とは?

★☆「ベスト・クロージング!」とは?★☆
「ベスト・クロージング!」とは、"終活"をテーマの中心に掲げ、「人生の総仕上げを、ポジティブ&アクティブに」進めるサポートをしています。マネー&ライフプラン専門家、上級終活カウンセラー、弁護士、税理士など、分野の異なるスペシャリストが集結。様々な観点からシニア世代やその子ども達にとって気になる・役立つ情報を提供すべく活動中です。
ラベル (著者別)弁護士芳賀由紀子 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル (著者別)弁護士芳賀由紀子 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2014/11/28

【遺言書は鉛筆で書いても大丈夫なの?自筆証書遺言を作る際の筆記用具について!】明るい相続を目指す弁護士の芳賀由紀子です。

  ある家族のお話です。同世代の友人が相次いで亡くなったことをきっかけに、A男さんは自分の死後の遺産分割について考えるようになりました。最近では、遺産分割争いで、今まで仲の良かった子ども達が骨肉の争いを繰り広げるという嫌な話も耳にします。A男さんは、自分の子ども達はそのようなことにはならないと思ったものの、念のため、遺言を書いておくことにしました。
 そこで、インターネットや書籍などで遺言書の書き方を調べ、いざ、「遺言書を書こう!」と紙と鉛筆を用意してみたところ、ふと疑問に思います。「このまま鉛筆で書いてもよいのか。それとも書き直しがきかないペンでないといけないのか。」

 友人達に電話で聞いてみたところ、「鉛筆でもいいんじゃない?」という人と、「簡単に消しゴムで消えてしまう鉛筆だと遺言自体が無効になる。消せないペンじゃないとダメ。」という人がいて、A男さんはますます混乱してしまいます。

 自筆証書を作る場合の筆記用具は,ペンでなければならないのでしょうか,それとも鉛筆でもよいのでしょうか?

========================================

 自筆証書を作る場合の筆記用具について,ペンでなければならないのか,それとも鉛筆でもよいのかという質問をよく受けます。

  ペンだと間違ってしまったら,鉛筆のように消すことができないので,また,一から書き直して書かなければならないのは面倒くさいと思うからのようです。

 法律では,使用する筆記用具について制限はありませんので,ペンで書いても鉛筆で書いても,自筆証書遺言の効力に変わりはありません。

 しかし,よく考えてみてください。
 家族への最後のメッセージである遺言を書くのですから,鉛筆で下書きをした上でペンで書くくらいの心構えがあってよいはずです。
 また,誰かに偽造されたりしないためにも簡単に消すことができないペンのほうがよいでしょうし,保存の観点からも,鉛筆よりもペンのほうが劣化しにくいと言えます。

 
 よって、法律では制限がないものの,やはり、ペンで書いたほうがよいように思います。

 もっとも、以前のブログでも書きましたが、自筆証書遺言は,紙と筆記用具と印鑑さえあれば,いつでもどこでも作成できるという点で非常に便利ですが、法律で定められた要件を欠くとして無効となる場合も数多くありますので、法律家の観点からすると、時期を見て公正証書遺言の作成を考えてみることをお勧めします。。

 その際には、ぜひ、法律の専門家である弁護士に気軽にご相談ください。あなたの立場に立った適切な遺言作りをアドバイスをいたします。

2014/10/24

【遺言があるのにどうして?知っておきたい遺留分の制度!!】明るい相続を目指す弁護士の芳賀由紀子です。

ある家族のお話です。父親が生きているときには,長男,二男ともに仲が良く,長男は父親が営む商店を手伝い、二男は独立してサラリーマンとして働いていました。父親が「商店を引き継いでくれる長男に商店を含むすべての財産を譲りたい。」と言ったときには二男は文句ひとつ言わず,その後,父親によって、長男に全財産を与えるという遺言が作成されました。
 しかし,父親が死んだ途端,二男は「長男に全財産を与えるという遺言には従えない。」と言い出しました。長男はびっくりです。しかも、二男は、長男に対し,遺留分減殺請求をし,遺留分である4分の1をよこせと言ってきました。

このような二男の請求は認められるのでしょうか?

========================================

 財産をどのように子どもたちに分けるかは基本的には親の自由です。遺言書に誰に何を与えるか,その旨をきちんと明記しておけば,その意思が優先されます。

 しかし,ここで注意したいのが「遺留分」という制度です。

「遺留分」というのは遺言によっても自由に処分できない財産の割合のことで,相続人間の不公平を防止するため,民法によって,一定の相続人が最低限度の財産を相続できることが定められています。
 遺留分に反した遺言がなされた場合には,遺留分権利者が遺留分減殺請求をすれば,その分は遺留分権利者が取得することができるとするものです。
  
 よって,相続人が揉めないようにするためには,遺留分を侵害しない形で遺産分割を考える必要があります。もし,どうしても遺留分を侵害する遺言を書く場合には,事前に家族でしっかりと話し合いをし、さらに、遺留分を侵害される相続人には,遺留分の放棄をしてもらうことです。

 相続の放棄は被相続人が生きている間にはできませんが,遺留分の放棄は家庭裁判所の許可を得れば放棄することができますので,遺留分を侵害する内容の遺言に従って遺産分割をしたいのであれば,家庭裁判所で遺留分放棄の許可を取っておくべきです。

 このケースでは、長男は二男に対して、約束と違うと抗議しましたが,遺留分の放棄は口約束だけではだめですので,結局は二男の遺留分減殺請求に応じざるを得ませんでした。

 人の心は本当に移ろいやすいものなのです。いくら仲の良かった兄弟とはいえ,お金が絡むと話は別です。おそらく,父親もこのように兄弟が仲たがいしてしまうとは思ってもみなかったと思います。
  
 よって,争う余地がないように,親が子どものために,きちんとした遺言書を残し,遺留分を侵害する内容の遺言であれば生前に遺留分の放棄まで責任を持ってやっておくことが親の義務であると言っても過言ではありません。
 
 そして,そのためには,財産をしっかりと把握して,その分け方について,生前にしっかりと考えておくことが必要なのです。

2014/09/19

【借金はどうなるの?相続の際に注意すべきこと!】明るい相続を目指す弁護士の芳賀由紀子です。


ある家族のお話です。母親が亡くなった後,1人暮らしをしていた父親が突然亡くなり,独立して別々に暮らしていた長男のA男さんと次男のB男さんが,父親の死後の手続を行うことになりました。A男さんとB男さんは,忙しい仕事の合間を縫って,何とか,父親のお葬式や荷物の整理などを行いました。四十九日まで終わって,ほっとしたのもつかの間,半年ほど経ったある日,突然,○○金融から電話がかかってきました。父親に1000万円貸していたので,相続人であるA男さんとB男さんに返済してほしいという電話です。借用書もあると言っています。驚いたA男さんとB男さん。父親からは借金があるという話は聞いたことがなく,遺言もめぼしい財産もなかったことから,相続については深く考えていませんでした。

父親に1000万円の借金があったなんて寝耳に水。A男さんとB男さんは,父親の借金を返済しなくてはならないのでしょうか。

======================================

相続人が相続するものは,プラスの財産だけではありません。
そんな都合のいいことはありませんよね。もちろん,マイナスの財産,すなわち借金も相続します。
 よって,プラスの財産より,マイナスの財産が多い場合には,借金だけが相続人に相続されることになります。

 このケースでは,相続開始後半年経っており,相続放棄ができる「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月」という期間が過ぎていたので,結局,相続したA男さんとB男さんが父親の借金を返済せざるを得なくなりました。

相続というと,何かしら財産がもらえるイメージがありますが,逆に借金を背負い,自分が支払う側になってしまうこともあるのです。

プラスの財産より,マイナスの財産が多い方が亡くなった場合には,相続人が借金を背負うことになってしまうため,その人を相続する場合には気を付けなければなりません。

財産状況が正確に把握できない人を相続することになった際には,十分注意して,「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月」という期間が過ぎる前に相続放棄するかどうかをきちんと検討する必要があります。

また,相続される側の人も,プラスの財産より,マイナスの財産が多くなりそうな場合には,そのことを自分の相続人に伝えておくようにしてください。そうしなければ,相続人は不測の借金を背負うことになってしまい,あなたの生前の行いがどんなに良かったとしても,あなたを恨むことになってしまいます。

相続放棄すればよいことが分かっていれば,相続が発生した場合,相続人は,相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に,家庭裁判所に相続放棄の申述書と戸籍謄本などの必要書類を提出することで,被相続人の借金を引き継がなくても済むようになります。

不安な場合には,一度,弁護士などの専門家に相談してみることをお勧めします。

<参照条文>

(相続の承認又は放棄をすべき期間)
第915条  相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
2  相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。

2014/07/18

【その遺言書,本当に大丈夫?自筆証書遺言の落とし穴!】明るい相続を目指す弁護士の芳賀由紀子です。


ある家族のお話です。父親が亡くなり,遺言書が発見されました。遺言書は,最後の名前だけが直筆で,あとはすべてパソコンで作成されたものでした。

遺言書の内容は,自宅の土地建物は長女に相続させ,預貯金は長男に相続させるというもの。父親と同居していた長女は,実家を出ていかなくて済むと一安心。しかし,長男は納得がいきません。自宅の土地建物の価格は,預貯金の額をはるかに上回るものなのです。そこで,長男はこの遺言書を法律の専門家である弁護士に見てもらうことにしました。


すると,弁護士が一言。「この遺言書は,自筆証書遺言としては法的効力がないものです。」


驚いたのは長女です。ちゃんと遺言書って書いてあるじゃない!!お父さんが書いたものであることは間違いないのに,遺言としての法的効力がないってどういうこと!?


========================================


自分1人で作成することのできる自筆証書遺言には,その作成の仕方に,法律で定められた厳格な要件があります。よって,この要件を欠くと無効になってしまうという危険性があり,法律の専門家が関与せず,自分1人で自筆証書遺言を作成した場合,その記載内容が不明確であるとされ,その効果が認められないといったことがしばしば見受けられます。


自筆証書遺言は,遺言者が全文を自分で手書きし,署名,押印することによって作成する遺言書です。よって,パソコンで文字を打ってプリントアウトする方式では駄目です。今回のケースでは,遺言者が全文を自分で手書きしていないという点で,法律で定められた要件を欠いているということになります。


たしかに,自筆証書遺言は,紙と筆記用具と印鑑さえあれば,いつでもどこでも作成できるという点で,一番簡単に作れる遺言書という点でメリットがあります。

しかし,今回のケースのように,法律で定められた要件を欠くとして無効となる場合も多いのです。また,自筆証書遺言は保管が適切でないと紛失したり,保管場所が相続人に伝わっておらず発見されないままということもあります。


一番よいのは弁護士などの専門家に頼むことです。ぜひ,一度,ご相談ください。

2014/06/09

はじめまして。弁護士の芳賀由紀子です!


みなさん,はじめまして。弁護士の芳賀由紀子(はがゆきこ)と申します。

 

人生のエンディングに向けて,よりポジティブにアクティブに過ごすための有益な情報を各分野のスペシャリストが提案し,セカンドライフを豊かにするお手伝いをするという「ベスト・クロージング!」の趣旨に賛同し,このプロジェクトに参加しました。

 

■  経歴

私は,多くの人のように,最初から弁護士になりたいという強い思いを抱いて学生の頃から司法試験の勉強をして弁護士になったわけではありません。

 

大学卒業後は地元の一般企業に就職し,地元の活性化や街づくりに貢献する仕事がしたいと思っていました。

 

しかし,たまたま配属された法務室という部署で,思いかけず多くの事件や人に出会い,法律の面白さを知ることになります。自分のアドバイスで人が笑顔になることに大きな喜びを感じましたし,何よりも,法律知識を駆使して問題を解決していく仕事が楽しくてしょうがなかったのです。

 

そして,入社5年目に,周りの反対を押し切って,一念発起して弁護士を目指します。

 

合格まで決して平たんな道のりではありませんでしたが,よいこともわるいことも,回り道をしたからこそ得られた貴重な経験がたくさんあります。

 

今,弁護士として仕事ができることを幸せに思い,少しでも多くの人のために精一杯尽くすことのできる弁護士でありたいと思っています。

 

■  ご提供していく情報

 

私は,弁護士になってすぐに経験した遺産分割事件で,親族間の凄まじい紛争を目の当たりにし,もっと相続を明るいものにしたいと心の底から思うようになりました。

 

その後,相続に関して自分なりの勉強を重ねると共に,現在は,「ベスト・クロージング!」の活動のほか,所属するNPO法人遺言・相続リーガルネットワークにおいて,様々な相続に関する問題に取り組んでいます。

 

遺産分割については,①事前にしっかりと考え,②対策を練っておくこと,が何よりも重要です。そうすることで,ほとんどの遺産分割争いは防ぐことができます。そして,それは決して難しいことではありません。

 

私のブログでは,生前にしっかりと遺産分割の問題に向き合っておかなければどうなってしまうのか,事例と共に,分かりやすく紹介していきたいと思います。

 

「ウチにはそんなに財産はないから大丈夫」

「親族の仲はいいからもめるなんてありえない」

 

こんなふうに思っていませんか。自分には関係ないことだと思ってはいませんか。

そういう人こそ要注意です!!

 

さあ,これから,一緒に様々な事例をみていきましょう。
どうぞよろしくお願いします。