今回は、前々回少しお話しました、昨年の最高裁判所の決定と民法の改正についてご紹介します。
嫡出子(ちゃくしゅつし)、非嫡出子(ひちゃくしゅつし)という言葉自体、あまり聞きなれない言葉だと思うのですが、嫡出子とは「法律上の婚姻関係にある男女(夫婦)の間に生まれた子」をいい、非嫡出子とは「法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子」をいいます。
これまで、民法では、非嫡出子は、嫡出子の相続分の半分とされていました。
嫡出子と非嫡出子の区別に関しては、住民票や戸籍の続柄欄の記載等、変化してきていて、平成25年9月4日の最高裁判所の決定では、非嫡出子は嫡出子の相続の半分とする民法の規定について、遅くとも平成13年7月当時には、憲法の規定に違反していたというべきとされました。
そうすると、この規定を前提にして10年以上の間になされた相続はどうなるのか・・という問題が出てきます。
そこで、この決定では、この規定を前提としてされた遺産分割の審判等の裁判、遺産分割協議その他の合意等で確定的なものとなった法律関係には及ぼすものではないと述べて、調整をはかりました。
違憲の判断がなされたらそれで解決かというとそういうわけではなく、新たな立法等がなされないと法律の規定自体はかわりません。
昨年12月5日、最高裁の決定を受けて民法の一部を改正する法律が成立し、非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分と同等になりました。
違憲決定が出たということで報道され話題になった(と思う)のですが、今回は中身のご紹介でした。
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